将棋の木村一基九段(48)が19日、東京都渋谷区の将棋会館で行われた第69期王座戦挑戦者決定戦で佐藤康光九段(51)=日本将棋連盟会長=に後手の132手で勝ち、挑戦権を獲得した。9月1日に開幕する五番勝負で永瀬拓矢王座(28)に挑む。
感想戦終了後に行われた記者会見での質疑応答は以下の通り。
―挑戦を決めた。
「嬉しく思います。相手は非常に強い方ですので、キツい戦いになると感じています」
―挑戦に至った理由。
「(研究)時間は増えましたね。パソコンを見ているだけという感じです。増やさざるを得ません。年々、日々キツくなっていると思います」
―王座への挑戦になって。
「たまたまかなあ、という感じもしないでもないです。王座戦は本戦に入ったのも久しぶりなので。王位の枠で入った(注・今期開幕時に王位のタイトルを保持していたため、本戦からのスタートになった)ので、こういった形になって、私はツイてるな、という感じです」
―敗れた直後の佐藤九段が「齢はいっているけど、強くなれると思っている」と語ったが、年齢についてどのように考えるか。
「現状維持をするのが精一杯ですので、ああいうふうに言えるのはうらやましいですね。でも、年上の先輩がああいうことを言っているので、こちらもだらしないことは言っていられないです」
―昨年、王位戦で藤井聡太現王位にタイトルを奪われて「一から出直す」と言った。一から出直す気持ちが挑戦につながったのか。
「(失冠後も)公式戦は続きますので、一局一局精一杯臨んではいました。ただ、まあ…結果が…。王位リーグも陥落しましたし、思わしくないこともありました。そういう中で王座戦だけは運良く星が偏った感じがします」
―永瀬王座との対戦成績は3勝3敗2千日手。
「あんまりやってないですよね。これほど局数が少ない人とやるのは…昨年の藤井聡太さんもそうでしたけど、少ないのは気になるところで謎な相手というところはあります。ただ、あれだけ勝ってますし、将棋を指すのに熱心な方だなあと思いますので、熱意だけでも負けないように」
―1年でタイトル戦の舞台に戻る。
「昨年の王位戦で4連敗した実力からすると、よく挑戦できたなあ、という感じもします。王位を獲ったことは事実ですけど、王位を獲った後の1年は順位戦も落ちました(A級からB級1組へ)し、成績はよくありませんでした。他の(タイトルホルダーの)方は全て2つ目を狙って、私は絡めませんでしたので、私の実力が劣っていると思っていました。実際に(王位を)取られましたし。なぜ挑戦できたのか、よく分かりませんけど、運が良かったという一言に尽きます」
―挑決進出時に「最後のチャンスになる」と言った。本当に最後のチャンスだと思うのか、常に最後のチャンスだと思って戦っているのか。
「もうそんなには(チャンスは)ないと思っているので、常に最後になると思っています。その割には良い方に結果が向いているので…。ウソをついているわけではないです。私は常に最後のチャンスのつもりでやっています」
―研究量を増やしてタイトル獲得に至った一昨年と今を比べて。
「少し(研究量は)増えている気がします。覚えることが多くて。忘れることも多いので繰り返しやっていくしかないですね。そういう点ではキツくなってきました」
―再びファンの声援を背を受けて戦うことになる。
「声援を受けて戦うことはありがたいことで、実際に力にもなっています。その番勝負を指すに当たって、自分が強くなって、いちばんいい状態で臨まないと勝てる相手ではありませんので、(声援を)意識しながら精一杯の準備もして臨みたいです」
―本局の終盤は「詰む・詰まない」の難解な局面があった。
「(先手玉は)詰んでいたようですけど、私は読み切れてなかったです。どうやって勝ちに持っていくか、正直分からなかった。でもミスをすると逆転するという緊張感がありました。勝っているという安心感はなかったです。詰みを見つけられなかったので、あっという間に時間が過ぎました。持ち時間が残っていて助かりましたね」
―先手玉の詰みは感想戦で知った?
「佐藤さんが詰んでました、と。でも、どうやったら詰むかは教えてくれなかった(笑)。ですので(小学生時代からの盟友で本局の観戦記を担当する)野月(浩貴八段)さんが教えてくれました。詰まさないといけませんね」
―ファンの方々に。
「(永瀬王座は)充実している方で、厳しい番勝負になりますけど、自分なりに精一杯指したいと思います」
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